ママのお店は繁盛していた。
毎月20日のみが休みなのだが、20日もお客さんが来て、
ママはせっかく来てくれたお客さんを無下にもせず対応していた。
昼間はママもばあちゃんもお店に出す料理を仕込み、母は全室の掃除をしていた。
私は母になって、子どもを毎日公園へ遊びに連れて行ったが、
私は公園へ連れて行ってもらった記憶がない。
もちろん、家であそびの相手をしてもらった記憶もない。
しかし、ママにはたくさんの玩具を与えてもらい、いつも一人で遊んでいた。
はやりの玩具は全て持っていたように思う。
リカちゃん人形は3体も持っていた。
髪が伸びる人形やママレンジも持っていた。
ママの旦那さんは私が生まれる前に亡くなっており、未亡人なのだが、
お店に出るためか、毎日のように美容院へセットに行き、きれいにお化粧していた。
とても美人なので、お客さんにもモテた事と思う。
お店が終わった後もお客さんに誘われることが多々あったようだ。
今で言う「アフター」みたいなものだろう。
その「アフター」に私もついて行かされることがよくあった。
今思えば、ママは自分の身の安全のために幼い私を連れて行ったのだろう。
そんな内情は知ることもなく、
その時間まで一人で寂しく遊んでいた私は、
お出かけとあって喜んで付いて行った。
日付けが変わろうかと言う時間にこんな幼い子どもを連れまわす。
心がゆがんでも仕方のない生活だ。