馬酔木の生立ち

生立ちを少しずつ記録していきます。

格差

それからも友だちのものを持って帰る盗み癖は続いた。
何度か親にバレて叱られ、叱られるときは頬っぺたを叩かれたので
きっと「もうしません」の気持ちウソではなかったと思う。
でも何度も盗んだ。
半分くらいはバレて叱られた。


幼稚園の間は続いたと思う。





5歳の時に弟が生まれた。
その頃には父母もバーの経営は辞めていたのだろう。
うまく行かなかったようだ。


弟はみんなにかわいがられた。
もちろん私も可愛がった。
大人たちにすれば、人のものを盗む子なんかよりよっぽどかわいかったに違いない。


姉弟の格差はこの頃から既に始まっていたと思う。
ずっと大人になるまで。


大人になってから母にこの「格差」についてたずねたことがある。
もちろん否定された。


そう言えば小学校高学年の頃だっただろうか。
ばあちゃんに、面と向かって言われたことがあったっけ。
弟の方がかわいいと。


そんなこと言われるくらい、私って憎たらしい子どもだったんだろうな。